Jは祭りだ、共に生きよう

「加藤シゲアキさんと映画」について書きとめていくブログです

映画『ピンクとグレー』を観に釜山国際映画祭へ

2015年10月2日、韓国の釜山で毎年開催されている「釜山国際映画祭」に、映画『ピンクとグレー』が出品されるということで行ってまいりました。

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あいにくの悪天候で1日のオープニングセレモニーに登壇者の皆さまが間に合わないというトラブルもありましたが、2日のGV、野外トークショーでは、熱く、そして楽しそうに『ピンクとグレー』について語ってくださり、この作品が大切にされているということを肌で実感することができました。

 

国外の映画祭ですし、すでに世の中にはより良い情報が数多く上がっていることとは思いますが、個人的な忘備録としてGVと野外トークショーについて書き残しておきます。

アナログな手法でメモ帳に書き記していただけですので、記憶とメモとWSを頼りに書いています。言い回しなど間違いがかなり散見されるかと思いますが、そのあたりご了承いただけると幸いです。

 

※映画、原作のネタバレになるようなことは書いていません

 



映画上映後のGV~舞台挨拶、質疑応答

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映画上映後、観客からの質問に答える、質疑応答の時間が設けられました。


■立ち位置
しもて側から、行定勲監督、中島裕翔さん、菅田将暉さん
中島さんは、グレーのスーツ、黒のインナー、素足に黒のエナメル靴
菅田さんは、ピンクの髪、紫のスーツ

■韓国語で挨拶
・菅田さんが韓国語の「ノロ」という言葉が出てこなかったようで、中島さんが隣から「ノロ、だよ」というふうに教えてあげる。
・中島さんの韓国語の喋り方が可愛らしく、客席から「かわいいー!」の声が飛ぶ。途中で忘れてしまい、「えーっと……なんだっけな?」とスーツの尻ポケットからスマートフォンを取り出し、確認。その後、「あ! マンナソ パンガウォヨ~(会えてうれしいです)!」と続けてにっこり。
・行定監督は、「この客席の皆さんがこの映画をどのように受け止めたかが基準になると思いますので、気に入ったら盛り上げていってほしいと思います」と。


■原作について
――原作者・加藤シゲアキさんの映画の感想は?
中島さん「完成版を観たあとトイレに入ったら、シゲくんがこっち(隣)にいて。2人の空間ができて、『どうでしたか?』って聞いたら『まあ分かりやすくなってるよね』って言ってました(笑)。(原作者の感想は)僕らが聞きたいことですね(笑)」

――原作者が事務所の先輩であることにプレッシャーは?
中島さん「先輩のデビュー作の小説だし僕にとって初めての映画でもあったので緊張してたんですが、撮影の中盤くらいに加藤くんがお弁当の差し入れに来てくれて。『この役やっぱり難しいです。どうしたらいいですかね…』って聞いたら、『実際に悩んでる顔がスクリーンに出るからそのままでいいんじゃない?』とアドバイスしてくれました」

――私はピンクとグレーの原作を難しく感じたのですが、理解できましたか?
(客席から笑い声が起こる)
中島さん「難しいですよね。なので映画では複雑にはせずに分かりやすくしようと監督とも話していて。小説はあまりにも難しすぎて、ジャニーズには尊敬する先輩がいるなあって思いました(笑)」


■最後の挨拶
中島さん「皆さんにこうやって日本より一足早く観てもらえるというのは嬉しいです。そして何より、私事ですが、初出演、初主演の映画をこんなに多くの人に支えられて、海をこえてこんなにたくさんのかたに観ていただけて、貴重な経験だと思っています。皆さん、面白かったですか?」
観客「はーい!」
中島さん「よかったです(笑)」

菅田さん「うちの裕翔をよろしくお願いします」(中島さんの腰を抱いて、いっしょにお辞儀)
(客席から歓声が)


客席をバックに撮影、手を振って去っていく3人。


■個人的な雑感
映画の内容や、演技方法、原作に関する質問が多く、とても実りのある質疑応答でした。日本でも、ぜひこういったティーチインが数多く行われると、ありがたいです。
各シーンの演技や演出意図に関しての質問もたくさんあり、監督もさまざまなことを語ってくださったのですが、内容にかなり踏み込んでいるので、日本での映画公開後に追記します。

 



海辺での野外トークショー

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その後、劇場とは少し離れた場所にある海辺の野外特設ステージにて、3人のトークショーが行われました。
今回は、質疑応答のスタイルではなく、インタ ビュアーの女性(韓国の著名な映画コメンテーターの方とお聞きしました)から質問を投げかけられ、3人が答えていく方式。この方の質問内容がまさにファンの聞きたいことを突いてくれるもので、先ほどのティーチインとはまた違ったフランクでサービス精神旺盛なトークショーとなりました。


■立ち位置
しもて側から、菅田将暉さん、中島裕翔さん、行定勲監督


■釜山での思い出
中島さん「海を昨日の夜、(菅田さんと自分を指して)散歩したんですよ。そのあたり(客席のうしろあたりを指して)を。楽しかったです」
――(ざわめく観客を見て)皆さん嫉妬してるみたいです(笑)。
中島さん「じゃあ、皆さんで行きますか!」(両手を広げて)
観客「わああ!」

■「うちの可愛い裕翔くん」
――(菅田さんに向かって)どういう映画ですか?
菅田さん「映画の説明ですか?」(自分がするの? といったニュアンス)
中島さん「菅田さんお願いします(笑)!」
菅田さん「うちの可愛い中島裕翔くんのスクリーンデビュー作ですよ」
(客席から歓声)
菅田さん「日常の中にある非日常と、非日常の中にある日常を描いた青春映画です」

■初出演、初主演の映画として
――この作品を初映画に選んだ理由は?
中島さん「基本的にはオファーしていただけたらなんでもやらせていただくつもりですが、今回の作品は、先輩である加藤くんの原作を映画化することもそうですし、今をときめく若い役者さんがたくさんいらっしゃって、何と言っても行定監督と一緒にできることは本当に光栄です。僕は断る権利とか持ってないんですが(笑)、誰もこのオファーは断らないと思います。ピンクとグレーが僕の初の映画で良かったなと本当に、感極まってます」(実際、感極まったような顔で涙をこらえている)


■監督から見る二人の魅力
――二人の魅力は?
行定監督「ポテンシャルが高いと感じました。目の前で、未来のひらけている二人が、演技の中での自由を勝ち取っていく姿に、日本映画界の俳優の底力、誇りを感じました。そんな二人が、『GO』という僕の代表作以来の、自分でも手応えのある作品に、作り上げてくれたと思っています」
(それを聞いて、ここでも泣きそうな顔になっている中島さん)

――二人それぞれの魅力を
行定監督「中島くんは今回、◯◯なシーンや◯◯といったシーン、心の弱い部分、アイドルらしく◯◯するシーンなどで本当に色んなことをやっていただいたんですが、なんでもできる人だと思いました。全部がさまになっていて」(◯◯は映画の内容に関わるので伏せます)

行定監督「菅田くんはとても奇抜でありながら繊細。彼を必要としている監督はたくさんいる。逸材だと思ってます。『GO』で主演を務めた窪塚洋介を彷彿とさせる、フレームからはみ出すくらい自由に芝居をしながらも、繊細でいる。今後も組んでいきたい役者の一人です」

行定監督「TAKE1がいいのが菅田で、TAKE10がいいのが裕翔なんですね」
中島さん「(ペロッと舌を出して笑う)」
行定監督「非常に難しい、芝居をさせるのが(笑)」
菅田さん「お疲れさまでした」
中島さん「お疲れさまでした、すいません(笑)」


■映画の内容にちなんで「嫉妬」の話
――相手に嫉妬する部分は?
中島さん「全部ですよね。1つだけ? 1つかぁ、むずかしいねえ……」(ここで、行定監督がスマホのカメラを構えたので、二人でカメラに向かってダブルピースで応じる。とても可愛い)
中島さん「僕は映画は初めてなので、できるだけ自然なお芝居ができたらなということをテーマにしていました。今までドラマはたくさんやらせていただいてたんですが、自分の中で『チャレンジ』のようなものはなくて。将暉とお芝居していると、監督を驚かせるようなお芝居をするんです。一回、『裕翔こういうのいい? 次のシーンでこうしたいんだけど』って相談を受けたりして、毎回ちがう柔軟さ……」
菅田さん「だめなの(笑)?」
中島さん「だめじゃないけど(笑)。そういう柔軟さが僕にはないので、そこには嫉妬してますね」

菅田さん「数少ない公私ともに仲良くさせてもらってる役者なんですけど、いちばん素敵だと思うのは、愛嬌かなあ。でも、ただ可愛い人はたくさんいるんですよ。そうじゃなくて、キュー……チャーミングなんだけど意固地で男くさい部分とかもあって、でも荒々しくなくて品があって、なんですかねこの高級食材は!と。クリエイティブ意識を起こさせる、色々さしたくなる魅力がありますね」(おそらく「キュート」と言おうとして「チャーミング」と言い換えた)


■二者二様の投げキス
菅田さんの「愛嬌」という発言を受け、客席から「愛嬌みせてー!」の声が飛ぶ。少し迷ったあと、両手で大きく投げキスをする中島さん。可愛い顔でやり終えたあと、数歩下がって後ろを向いて照れる。(可愛い)
客席から「かわいい!」の声と共に「もう一回!」の声が響くと、中島さん自ら手を振り上げて煽り、「もう一回! もう一回!」とコールをさせ、再び両手で投げキス。今度は、終わったあとに両手で頬を包んで大照れ。(非常に可愛い)
客席からは、「菅田くんもー!」の声が。中島さんはまたも客席を煽り「まーさーき! まーさーき!」のコールをさせる。両手で可愛くやった中島さんとは対照的に、格好良く親指を唇に当て、スッとスタイリッシュな投げキス。さらに盛り上がる観客たち。
「これ行定さんもだよね」「かんとーく! かんとーく!」と煽る中島さんでしたが、監督は「いやいや(笑)」と固辞されていました。


■最後の挨拶
中島さん「この映画は、自分の中でもこんな感情あるなと共感してもらえると思います。人間のいい部分もいやな部分も出ています。色んな人に観ていただいて、いろんな見解を持って、自分の人生に置き換えて考えてもらえたらと思います。ぜひ『ピンクとグレー』よろしくお願いします」
(通訳の方が言った韓国語「よろしくお願いします」を真似て繰り返す中島さん。声と言い方が可愛らしく、「可愛い~!」の声が飛ぶ)

菅田さん「日本で僕らが作った映画を、国境をこえて観てもらえる機会があることをありがたく思います。ぜひ観てください、そしてたくさんの人に伝えてください。これからもよろしくお願いします」

行定監督「楽しいだけじゃない青春、人間の愚かさや情けない部分、輝かしい部分が描かれています。日本の素晴らしい若手の俳優たちが出ていますので、楽しんで観ていただければと思います」

 


■個人的な雑感
監督の「『GO』という僕の代表作以来の手応えのある作品」という発言や、「感極まった」と言いながら涙をこらえる中島さん、中島さんと菅田さんの仲の良さが非常に印象的でした。
中島さんと菅田さんのこの現実世界での良好な関係性が、また『ピンクとグレー』という作品に深みを与えているようで、小説・映画・現実と、すべてが絡み合って多層構造となり『ピンクとグレー』の世界を築いているのではないか、と感じました。ですので、これからも宣伝活動の中で、お二人の仲の良さが多く見られるととても嬉しいです。あと、純粋に、見ていて可愛らしいので、もっと見たいです。



全体を通して
映画の内容に言及するとネタバレになってしまいますので、公開日までは口をつぐんでいますが、小説とはまたずいぶんと違う、非常に行定監督らしい作品になっていたと思います。
主演の中島裕翔さんはもちろん、菅田将暉さんも夏帆さんもなるほどと膝を打つキャスティング柳楽優弥さんの説得力のある演技には、出てきて数秒で納得させられました。

これはまた別途、掘り下げたいと思っていますが、主演が中島裕翔さんで本当に良かった、と私は思っています。また、演じている姿を観ていて、彼にはこれからさらにオファーが来て、素晴らしい作品に出会っていくであろうと確信でき、勝手にうれしく感じていました。


行定監督ファンのかたと、役者さんのファンのかたにはぜひ観てほしい。

そして、ぜひとも原作小説も読んでほしいです。また異なる側面の世界が見えてきて、物語理解がよりいっそう深まるのではないでしょうか。

監督や役者さん、この映画そのものに興味を持たれているかたは映画を観てから小説を、そうでないかたは(原作者の加藤さんのほうにより興味を持たれているかたはもちろん)映画を観る前に読まれると良いのかなと思います。

 


小説は小説、映画は映画であり、映画『ピンクとグレー』は監督さんや役者さんやスタッフさんのものである、と原作者の加藤シゲアキさんが何度も仰っている通り、私たち原作ファンは、また別物として楽しめたら良いですね。